これまでは、性能目標と排出ガス規制を達成することは、どちらもほぼ同じくらいエンジン開発を推進する原動力でした。しかし、地球温暖化を最小限に抑制する必要性から、現在ではCO2排出量の削減が中心になりつつあります。車両パワートレインのハイブリッド化は、この課題に対する即効性がある効果的なソリューションです。一方で、化石燃料の消費は電動化車両では大幅に削減されます。他方では、ハイブリッド運用に特化して開発された推進システムは、従来の燃焼機関よりもはるかに効率的に運用できます。これは「グリーン電力」を利用しなくても実現できます。
燃焼機関のCO2フリーまたは少なくともCO2ニュートラルでの運用は、化石燃料がe-fuel、合成燃料、およびバイオ燃料に置き換えられた場合にのみ実現できます。その取り組みは従来から続けられてきました。エタノールは純粋な燃料や燃料添加物としてすでに広く自動車に使用されています。エネルギーキャリアとしての水素も自動車の黎明期から実験が続けられ、2000年代頃には実際に水素自動車が量産されるようになりました。しかし今日では、代替燃料の将来は大型輸送、海運、航空の分野でより重要視されています。ここでもシミュレーションが成功のカギとなります。AVLは、1990年代半ばからシミュレーションツールや手法を用いて代替燃焼機関の開発を支援しています。
燃焼機関は現在もこれからも、持続可能なモビリティに寄与していきます。AVLはお客様と共に、気候に優しい未来に向けて日々取り組んでいます。
- AVL List GmbH アドバンストシミュレーションテクノロジーズ Vice President ローランド ヴァンカー