AVL調整システム

テストベンチ上で極端な運転条件をシミュレートするには、調整システムが極端な媒質条件を作成できなければなりません。テストベンチの効率を向上させるためには、初期条件を迅速に確立する必要があります。オイルおよび冷媒調整システムは、各試験サイクルの終了時にUUTを非常に速く冷却するため、時間単位あたりの試験数（コールドスタート試験など）が増加します。

AVLの媒質調整システムは、モジュール型設計、優れた機能拡張性、およびテストベンチ上での移動性と汎用性を備えたコンパクトさが特色です。堅牢性に優れ、最適化により最高水準のダイナミクスと制御品質を実現するように設計されています。4,000台以上のシステム納入実績が、その品質と耐久性を実証しています。

AVL ConsysCoolは、開発、認定、エンドオブライン（EOL）試験だけでなく、レースカーエンジンの高度に動的な用途にも適用できます。このシステムは、冷媒を自由に定義できる温度に制御し、厳密な制限値内に維持します。一体型電熱システムにより、急速加熱を行い、制御ダイナミクスを改善します。

定常モードおよび動的モードにおける高い制御精度により、高度な試験条件再現性を実現します。追加オプションを使用して基本ユニットの機能を拡張し、お客様の用途に最適な結果を手に入れることができます。耐久試験などの要件の少ない用途については、コンパクトでコスト効率の高い基礎冷媒調整ユニットも提供しています。

AVL ConsysBoostは、UUTの給気を非常に狭い許容範囲内の規定値に調整します。UUTの動作状態にかかわらず、給気温度を一定に保つために主に使用されます。正確な給気温度を維持することにより、試験条件の再現性を確保します。オリジナルの車両インタークーラーを工業用の水冷式/空冷式インタークーラーに置き換えます。

さまざまな給気クーラーの圧力降下をシミュレートするために、調整式フラップが取り付けられています。このフラップにより、幅広いUUTに対応します。オリジナルのUUTインタークーラーを使用する必要がある場合は、スプレー調整システムやウォータージャケット内のインタークーラーなどの代替ソリューションを提供します。

AVL ConsysLubeを使用すると、オイルの温度と圧力を正確に定義可能な値に維持できます。一体型電熱システムにより、オイルの急速予熱が可能です。さらに、動的運用における制御精度を最適化します。複数の接続タイプとデバイスオプションにより、さまざまな用途に対応します。たとえば、次のような用途に対応します。

• AVL ConsysLubeをオイルサンプに接続すると、UUTの油路に悪影響を与えず、UUTが停止しているときでも温度を制御できます。
   
• 圧力油路に接続して、定常運用と動的運用の両方で、UUTのオイル供給の圧力と温度を制御します。

AVL ConsysLubeは、内燃機関、ギアボックス、または油冷式電動パワートレインコンポーネントに適しています。

UUTの性能は吸気温度、湿度、圧力に大きく依存します。AVL ConsysAirを使用すると、テストベンチの実際の環境条件に関係なく、これらの重要な要素を任意の設定ポイントに調整できます。特許取得済みのDynamic Bypassにより、定常状態でのエンジン吸排気、さらには高度に動的なエンジン運用においても、他の追随を許さない圧力安定性を実現します。

この装置のもう一つの重要な特徴は、設定ポイント変更後の安定化時間が短いことです（3秒未満の圧力の場合）。AVL ConsysAirは、AVL Altitude Simulatorと組み合わせることで、標準的なテストベンチ上で、冬や夏の海水面から高山路、熱帯、砂漠、あるいは北極圏での試験を実現します。