最新のe-アクスルのコンセプトには、これまでにない設計上の特殊性があり、その結果、さまざまな混乱が生じる可能性があります。
例えば、ベアリングコンセプトには詳細なシミュレーション調査が必要です。ギアボックスの入力データでの歯当たりは半径方向の力を生じさせ、その結果、回転子シャフトの変形や傾きが発生します。電磁場はこれに対して非線形に強く反応し、回転子の偏心を増大させる原因になります。この偏心は、回転子シャフトのベアリングにより支持する必要があります。従って、NVH挙動に関する包括的な評価は、電気モーターとギアボックスをシミュレーションモデルで考慮することで初めて実現できます。
また、e-アクスルシステムの一般的な設計では、トランスミッション入力ギアとして動作する歯車を備えたプラグインスリーブがあります。このスリーブはスプラインを介して回転子シャフトに押し付けられ、歯の力によりスプラインにスティックスリップ効果が発生することがあります。この影響は、軸の力として回転子シャフトに作用しますが、これは回転子ベアリングに大きな影響を及ぼすだけでなく、複雑なシステムの固有モードを励起して、システムのNVH挙動にも影響を及ぼします。
こちらのウェビナーでは、シニアシミュレーションサポートエンジニアのBenjamin Schmelzleが、開発プロセスの早い段階で特殊な振動現象をシミュレーション解析する方法をご紹介します。問題が発生した場合、設計上の対策を最適に講じることができます。
主なトピックとポイント:
• AVL EXCITE™ MによるNVH挙動解析向けダイナミック3Dマルチボディシミュレーション
• e-軸駆動分野の新たな現象の解析
• 電動モーター回転子の偏心がその励起挙動に及ぼす影響
• 噛み合う歯のさまざまな励起現象の調査
• 平歯車段の歯当たりにおける局所変形による影響